2007年06月06日

オオハマボウ【生活に有用なグラデーション花】

「ユーナ」でおなじみ、昔から沖縄の暮らしには欠かせない樹花です。梅雨空にレモン色からオレンジ色に変化する優し気な花が映えます。

きょう(6月6日)は二十四節気の「芒種」(ぼうしゅ)。
沖縄では5/21の「小満」とあわせ、この時期の長雨のことを「小満芒種ぬ雨」(スーマンボースヌアミ)という。

地域の先輩たちには、
・小満=弱い雨が降る時期
・芒種=強い雨が降る時期
と、認識されている。

今週に入ってから、ようやく那覇も梅雨空に。
小満芒種の花、ユーナがあちこちで咲きこぼれている。 (6/6)


オオハマボウ【生活に有用なグラデーション花】
午前中のレモン色のもの(漫湖公園)

オオハマボウ【生活に有用なグラデーション花】
夕方のオレンジ色のもの(浦添公園)

オオハマボウ【生活に有用なグラデーション花】
梅雨空に咲きそろう(漫湖公園)

黄ハイビスカス原産地 
黄ハイビスカス科        アオイ科
黄ハイビスカス日本での自生分布 小笠原および屋久島・種子島以南
黄ハイビスカス漢字表記
黄ハイビスカス沖縄本島方言名  ユーナ、ユウナンギー、カアサギー
黄ハイビスカス沖縄への導入 
黄ハイビスカス観察スポット
 安謝マックスバリュー沿い、若狭など海岸沿い、漫湖公園など多数
黄ハイビスカス開花時期     梅雨のころ
黄ハイビスカス似ていて間違う木 サキシマハマボウ


本オオハマボウの見方
 海岸では海水にほとんど浸ることのない砂質地に生え、アダン後方で群落を形成します。ユーナはユナ(沖積地)に生えることに由来します。耐潮性に強い樹花です。葉は円芯形、鮮緑色で光沢があり、裏側は灰白色で細かい毛が密集します。縁は小さな鋸歯状になっています。
 花冠は黄色で5裂します。底は紅紫色。1日花で、花弁は咲き始めの黄色から昼ごろ次第にピンク色になり、夕方の散る前は赤っぽいオレンジ色に変化して落花します。6-7月ごろ、こずえ一杯に咲きます。
 よく似たサキシマハマボウも同じアオイ科ですが、オオハマボウに比べ葉身は広卵形で先はやや長く尖り、掌状の7脈が目立ちます。
オオハマボウ【生活に有用なグラデーション花】
サキシマハマボウ。葉が細身です。

の~まんじゅう沖縄の暮らしとのつながり
☆生活材
 砂防・防風・防潮樹として、琉球の島々は重要な働きをしてきました。緑肥、山羊の草、繊維にして畳糸、釣り糸、魚網の浮木、水中メガネ、黒色火薬用の木灰にも利用しています。樹皮の内側の繊維は強いので、縄や編み物を作る材料になったほか、布(カシガー)にして穀類を入れる袋(カシガー袋)を作ったそうです。藍玉用の木灰原料にもなりました。染料にも使われたとのことです。
 葉は皿、布の原料、藍玉用の木灰原料、トイレットペーパーとして使用、使用後は下肥として農業に。本部町などでは入浴時の垢落としに使ったそうです。また、石垣島では田畑に出かける際、枯れ木に藁を巻き付けるピーナー(火縄)にし、タバコやお茶を沸かす火種に使ったといいます。
 子供はおもちゃの刀を作り、葉は蝉取りに、女の子は花で首飾りに。ひこばえはまっすぐなため、子供たちはおもちゃの刀を作ったそう。花びらを指で環を作り、それに乗せて別の手でパンと強く空気を送ることで勝負する遊びがあったと聞きました。
 琉球王府時代は葉の上納があったが、針の穴程度の傷も不合格だったといいます。

三線沖縄の歌での登場
 伊佐ヘイヨー(沖縄本島民謡)
 ゆうなの花(唐真達子、玉城一美、古謝美佐子など)

ニコニコマイミク情報
・天然トイレットペーパー。屋敷のトイレの近くに植えられていたようです。葉っぱでおしり拭いたと ゆうなよ。ゆうなの花の色はレモンイエローで大好きです。陽射しが強いので日焼けして落っこちる。(グリムさん)



(c)utinadanchu
   


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Posted by We are OKINAWAN-KOBE at 20:56│Comments(0)海岸林
 
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