2007年07月14日
クロツグ【ザルや網になった霊木】

山地やウタキ(拝所)などによく見られるヤシの仲間の霊木ですが、生活材として非常に有用な樹木でした。











山すそから低地にかけ自生します。幹は葉梢が腐ってできた黒色の荒い繊維で密におおわれます。葉は羽状複葉。雌雄同株で、6〜9月に同花序にメス・オス別々の花が咲きます。

☆生活材
葉柄の基部にあるサヤを構成する網目状の黒くて丈夫な繊維をマーニフガラといい、古くから各種の縄に利用されました。水中や風雨にさらしても容易に腐らないので、特に船用ロープ、マット、ブラシ、茅葺き屋根の覆いなどに重用されています。小葉の中肋を集めてホウキを作り、また中肋の先にワナを作って小竹の先に結び、子供達が小川や渓流のエビをくくったりしました。八重山では、クロツグより全体的に線の細いコミノクロツグがあり、表皮に近い部分が弾力があるので薄くはがして各種カゴやザルを作たとのこと。波照間島では、漁縄を結って追い込み漁に使ったそう。
☆食と薬
茎頂の柔らかい新芽は食用になります。



内根間ぬかながま
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│山地林